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このところ、日中はまだまだ暑い時もありますが夜の肌寒さから少しずつ秋が深まるのを感じています。 昼の陽射しがどんなに暑くても、太陽が堕ちた後と朝太陽が昇る前や陽が射し始めた少しの間は、風も空気もひ
んやりと躯を包み込んでいます。
みなさんは秋、好きですか?
「秋は寂しい季節だから嫌い」
「人恋しくなるから嫌」
そう言う方も数多くいるのではないでしょうか。
秋は木の葉も青々とした深緑から黄色・紅・茶色とこっくりした色に変わり、ひっそりと静かな季節を迎える。 激しく熱かった夏の終わりの時期でもあり、やはり人恋しく寂しく感じてしまう。
陽の色も夏の頃とは違う色をしていて、肌が灼けてしまう様な躯が熔けてしまう様な強い色の陽射しから、やわ らかく温かく肌の上を滑る様な陽の光。
みなさんは夕陽をじっくり見た事があるだろうか。
昼間の色とは違う、暮れ始めてきた時から太陽が沈んでしま うまでを・・・。
夕刻は一日のうちで太陽が物凄い変貌を遂げる時でもある。
昼間は白く目を射る様な強い色が、夕方になるとどうしてあんなにも紅く大きくやわらかくなるのだろう・・・
『秋の陽は釣瓶(つるべ)落とし』 こんな言葉がある。
秋の陽が早く暮れてしまうのを例えた言葉である。
「儚い」とでも言うのだろうか、大きくて紅くて綺麗な夕陽がほんの少ししか見られないのである。
空を眺めて 綺麗だと思った頃にはもう闇に覆い隠されてしまい、長い夜に支配される。
紅く洩れた陽が、太陽が沈むのと同じに薄く滲んで紫色になり、最後には墨を流した様に黒く塗り潰される。
空の色も深い青に真っ白られた雲、輪郭は描いた様に浮き立って勢力に満ちた色だったのが、今はもう薄くなり 霞がかった空の色。
夏が過ぎ、空気が冷たくなっていくのと同じくして夏の恋も褪めていってしまう。
日が暮れていくのと同じ・・・ 秋は寂しいと感じる季節。けれど秋は人の温もりが恋しくなる分だけその温もりを得た時の悦びがとても大きく なる。
恋しくて寂しくて切なくて、誰かに抱き締めて欲しい時、誰かに寄りかかってしまいたい時にその温もり に触れる事ができたら・・・どんなに満たされる事だろう。
心をさらってしまうような冷たい風も、肌に触れる空気も、抱きしめられた時の温もりや悦びをより深くする為 にある。
密やかに静かに歩み寄って来る季節に味わう、この上ない温もりが欲しい。
やわらかい色に染められて、躯は秋を自覚する。秋の或る日に静かに・・・恋をしたい。
蚕
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